桐原正憲 | デザイン

オリジナルiPod Dockに代表されるハンドメイドのデザイン雑貨群。
道具なのに、置いておくだけで美しいたたずまいを見せるデザインです。

デザイナーになられたきっかけは?。

小さい頃からものづくりをしていて、その延長線上で今も作品を作っているっていう意識です。例えば、以前作っていたものとしては…大きな丸太をノミでくり抜いて大きな穴を彫って、そこから出てきた木のチップをひたすら元の穴へと戻していったもの、とか。当然、上手く戻らない(笑)

たとえ一人でものづくりをしていたとしても、相手がいるんです。この場合は木が相手で、木を彫る時「彫るならここを掘ってくれ!」みたいな木の抵抗があるんです。対話があって、落としどころがあります。

彫りだしたものを戻そうとすると決して上手くは戻らないけれど、その「戻らなさ」が僕と木の対話の跡のような…それこそが作品ではないか? なんて自己完結的に思いながら、ポクポクと木を彫ってたりしました(笑)

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不思議な作品ですね…

その頃は、外に発信するというよりは自己表現という側面が強かったと思います。だからこそ、当時の作品はデザインとは言えないかもしれないと思います。一人で悶々と作っている事が多かったですね。

けれど、頼まれる仕事の中からつながりが生まれて、ブランドやってみたら? という話になって…やがて「killy」というブランドを立ち上げたりしながら、ものづくりの意識は少しずつ変わっていきました。

僕にとってのデザインは、あくまで道具としてのデザインだと思うようになります。人の営みを豊かにする。今は「いまはまだない あるべきカタチをつくる」という言葉をコンセプトにしています。

  • 道具としての作品
  • 作品の話
  • 使ってもらう道具としての作品
  • 道具という意識

「いまはまだない あるべきカタチをつくる」…

道具には機能美があります。お茶碗だったら、持った時の感覚だったり、手に伝わる熱とか、口触りとか。けど、それ以外にも美しさってあると思うんです。置いた時のたたずまい、美しさ。それがあって、はじめて「用の美」と言えるんじゃないかって思うんです。

縄文土器の縄の跡も、滑り止めだけじゃなくて、見た目の美しさとしての意味もあったはずだって思います。そんな風な、ものとして置いた時のたたずまいとか、使っていない時でも見ていたいなと感じさせるような形、物体としての美しさ。

ちょっと大げさな例えかもしれませんが、もし未来にiPodが無くなっていたら、iPod Dockは本来の機能が使えませんよね。けれど、そんな状況でも「これ何だ、何に使うんだ? でも、とりあえず置いておいても良いよね、この形」って感じてもらえるような、少し先のスタンダードを作りたいって思うんです。

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  • 仙台が拠点
  • 環境が作りやすい
  • 人とのつながり

これからの展望を教えてください。

iPod Dockは、木と金属と樹脂を合わせて「1+1+1=3」じゃなくて1つの質感にしたいと思いながら作りました。自分たちが欲しいものから、使ってもらえる道具、かつ置いておくだけでたたずまいを感じてもらえるようなものへと、進んできたつもりです。

これからも、そのコンセプトを掲げながら、ものづくりを続けていきます。セミオーダーの大きな家具とか、量産できる卓上の道具とか、ラインを設けながら展開していけたらいいなって思ってます。

例えば、震災の前後でエネルギーの使い方が変わりました。例えば、部屋が明るいこと、それだけで暮らしが少し豊かになります。…何か出来ないかって、思います。機能と、物としてのたたずまいの両方を大切にしながら、道具を作り続けたいんです。

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