中山雅秀(恐竜造型師) | デザイン

徹底した動物観察眼と作り込みが創り上げる恐竜フィギュア。
「恐竜はモンスターではなく、私たちと同じ動物」と考えるからこその、圧倒的な存在感。

恐竜というテーマを選んだ理由は?

恐竜、子供の頃から好きでした。『学研まんがひみつシリーズ』の一冊『恐竜のひみつ』とか、テレビ番組『恐竜探検隊ボーンフリー』が印象に残っていますね。まだ物心もついていない頃です。

プラモデルも好きで、車・バイク・戦車・飛行機…たくさん作っていましたが、恐竜だけはプラモデルでは納得がいかなくて、一から作ったんです。だから、完全に独学ですね。

工業高校の機械科を出て、精密機械を扱う製造業に就職しましたが、趣味でやっていたフィギュアを人に見せたらスゴイと言われて、人に見せた方が良いと言われてアートイベントに出して…そんな風にやってきました。

『恐竜探検隊ボーンフリー』1976〜77年放送のテレビ番組。円谷プロダクションが制作し、「円谷恐竜シリーズ」と称される。実写特撮とアニメを組み合わせた独特の表現が人気を博した。
  • 造形師としての第一歩
  • ひとつひとつの個性
  • 大人も夢中にさせる「恐竜」
  • 造形師としてのやりがい

何というか…圧倒的な現実感がありますね…

ありがとうございます!(笑) 動物写真が好きで、動物園も好きで…とにかく観察するんです。野生の動物には、迫力というか凄みがありますよね。

例えば恐竜の舌を作る時には、大きなインコの舌を観察して作りました。インコの舌は変な色をしているものが多いんです、予想に反して黒かったりして。

それから肌感ですね。これは例えば、イモリを観察したりします。両生類だから、恐竜よりも古い時代から生きていて、そこから進化した恐竜にも影響を与えているはずです。イモリの肌が乾燥する時をじーっと待って、参考にするんですね。

  • プライスレスの恐竜フィギュア
  • 恐竜一筋
  • オリジナル恐竜フィギュア
  • 徹底した観察眼

そこまでの情熱は、どこから湧いてくるんですか?

恐竜が作りたくてやってますからね(笑) それに、恐竜って変なヤツが多いんですよ、ティラノサウルスは手が小さすぎるだろ! とか。今いる動物がいるからこそ、ある程度イメージ出来ますが、もし骨だけならイメージできないだろうなってぐらい、変です。

というか、生き物すべて変なんですよね。多様性の魅力にあふれてる。じーっと観察していると「生きるって大変だよな、お互い」って妙な連帯感を持っちゃったりしますね。

恐竜はモンスターじゃなくて、私たちと同じ、立派な動物です。そんな変な動物たちが、僕らの前に地球に生きていた…本当に、実際に。そういう生命感のようなものに魅せられているのかもしれないなって思います。

  • 多彩な造形師
  • 中山雅秀の遊び心
  • 造形師の血が騒ぐ
  • 楽しむことが原動力

それだけの想いを、恐竜に込められてるんですね…

フィギュアを載せる土台に本当の流木を使ったり、目玉にアクリルの透明な玉を入れてみたり…結局、小さいフィギュアでも1ヶ月はかかります。特に彩色なんかは、いつまでもやり続けてしまうので、期限を決めて切り上げるようにしていますが…難しい(笑)

うろこを1個1個手彫りして、頭が取り替えられる仕掛けを作って。そこまで作ってやっとの事、手に取って楽しんでもらえるんです。見てもらう人に、視点を動かして欲しいんです。そこまでいかないと、命が宿った感じが出ないんです。

恐竜フィギュアに盛り込んでいる様々な色や形や、間違いなく「地球上に生きるもの」という条件で縛られているんです。僕らも地球で生きている以上、同じ条件に縛られています。そして互いに食べたり食べられたりしながら命をつないでる…僕たちはつながってる。そのつながりを感じたいし、感じて欲しいんです。

  • プレッシャーも原動力
  • 「楽しい」を仕事にする
  • 生まれ育った町
  • 「楽しむ」ことの重要性