渡辺真樹(八戸焼窯元二代目) | 八戸焼

文献と破片のみが残されていた中から復活を遂げた、八戸地域独特の焼物。
八戸焼特有の緑釉(りょくゆう)が、道具としての焼物に深みを与えます。

八戸焼の歴史について教えてください。

八戸焼は、江戸時代の末期で一度途絶えてしまっていましたが、 無名異焼の四代目だった父が窯跡を発掘し、復興させたものです。「八戸焼というものがあった」という文献の言葉を信じて、土地の人に聴きこんでやっと見つけたんです。

焼物そのものも、完品はありません。当時の職人が穴を掘って埋めた失敗作の破片を集めて、参考にするんです。

父が本で八戸焼を偶然知り興味を持っていたこと、母が八戸出身だったこと等があって、父は八戸に来る度に調べていたそうです。最終的には八戸に居座ってしまいましたが。

無名異焼とは、新潟県佐渡市付近で作られている陶器のこと。酸化鉄を含んだ赤土を用い、高音で焼き締めるために非常に固く、叩くと金属に似た音がすることが特徴。
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八戸焼の特徴…八戸らしさはどこにあるんでしょう?

一般的な焼物と最も異なる点は、緑の色合いです。緑色の釉薬「緑釉(りょくゆう)」を使います。マット調になったり光沢が出たり、多彩な変化をすることも特徴です。

でも、よくよく考えると、八戸で育った人が八戸という土地で八戸の土・水・木を使って作れば、きっと焼物に何かしら八戸らしさが出てくるだろうと思うんです。だからこそ、私は八戸を強く意識しているわけではないですが、題材はこの辺りから拾うようにしています。

らしさって、無理に言葉にしなくても良いかもしれません。引いて、引いて…。そういうのって、八戸人らしいって思います。

釉薬(ゆうやく)とは、陶磁器等を製作する際、粘土等で出来た器の表面にかける薬品のこと。粘土や灰等を水に溶かしたものが用いられ、特に緑釉の場合は緑色を出すために酸化銅が用いられる。
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どんな作品を主に作られているのですか?

焼き物屋さんは茶碗屋です、器を作ってなんぼだと思います。高い値段をつけなきゃいけない美術品っぽいものを作る事もありますが、手軽な器を作っていきたい気持ちが強いです。

僕自身、若い頃はカタチばかりを追ってしまって、使い勝手を考えられなかったです。バブルの頃…シンプルで都会的なものばかりが目に付いた時代でした。でも焼物って、とどのつまりはただの道具です。使い勝手が悪ければ意味がありません。

僕がまだ小さいころ、家の食卓に八戸焼の器が並んでいましたが、その美しさに心の底から気づいたのは、外に出るようになってからです。二代目を引き継いだ後…と言って、差し支えありません。

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二代目としての抱負をお聞かせください。

…何もありません。ただ良いものを作るだけです。良いものを作れば、きっと伝わるはずだって思っています。

朝から、長い時は日が回る頃まで。粘土相手なので、次の日というわけにはいきません。そんな風に20年、作り続けてきました。これからも、私はこの八戸という場所で、ひたすら作り続けるだけだって思っています。

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美しい器を作り続けてくださいね!

まだまだです(首を横に振る)。