大湯浩之 大湯建太郎(木好房DAIROKU) | 木工

丸太から作品までのすべてを親子で担う木工作品群。
木に魅せられ共に創作する親子作家の4つの手の跡が、見えてきます。

木好房DAIROKUの旗揚げはいつですか?

(浩之さん)色々あって、25年前、私一人でスタートしました。

子供の頃は大工になりたいと思っていましたが、工作は苦手だったんです。面倒くさがりなんです(笑) そのあと、ラグビーに熱中したり喫茶店のオヤジのようなことをしていたり…けれど、息子が生まれた25歳頃に、このままではダメだと思いました。そんな時にアウトドアブームが起きて、これなら自分でも出来ると思って独立したんです。

家ぐらい建てられるって思いました。30で家を建てて、自信がついて。木の仕事は何でもやってましたね、ログハウスが好きでした。好きなことをしながら、ラクしてメシを食いたいと思っていたら、人生こんな感じになりました(笑)

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息子さんは、継がれるご予定だったんですか?

(建太郎さん)いいえ。物心がついた時には、木工が好きとも継ぎたいとも思っていませんでした。父が作った『大草原の小さな家』みたいな木の家に住んでいたんですが、そんな家は珍しいので、近所の家の子がよく遊びに来ていました。うらやましがられた時にはうれしくも感じたんですが、珍しがられるのはイヤでした。

親が普通の会社員だったら良かったのに、って思っていました。

それから、父がいつも家にいるというのも、他の家と違うことでした。他の家に比べれば遊びにもたくさん連れて行ってもらえましたし、父との関係にゆとりがありました。父の仕事は自分にとって良い面もあったんです。

しかし自分は、木工とは関係がない仕事に就職し、東京に出ました。

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父親として、どんな気持ちでしたか?

(浩之さん)「実際、こんな楽しい仕事は無いぞ」って何度も話していました。人様に失礼なぐらいに自由に暮らせるんですよ。それでメシが食えて、時々個展を開いて東京に遊びに行けたりする。大した良い仕事ですよね?(笑)

(建太郎さん)個展の時には父の手伝いをしていましたから、心の片隅には常に「継ぐ」ということがありました。そんな時に、結婚して子供が出来て、「子供を東京で育てるのって、どうなんだ?」って思い当たったんです。

僕のそんな様子に気づいていたのか、父が「一緒にやろう」って言ってくれたんです。それで、継ごうと決めました。

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息子さんの返事、どう感じられましたか?

(浩之さん)うれしかった。けどね、息子が帰ってきて一緒にやるってのは、一番辛いこと。何でも一緒にやらなきゃいけないもん、縛られた生活になっちゃった(笑)

材料は息子の分まで仕入れます。丸太を買ってくるんです、丸太買いって言ってね。 この丸太をいくらにしてやろうかって考えてるから、一種のバクチ的要素があるのかもしれない。

けど、何せ独学だから、教えることも出来ない。だから、ノウハウまで手作りです。息子と私、作りたいものを、一から手作り。だからこそ、人と違うものができる。

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お二人がそれぞれ作りたいものを作られている?

(浩之さん)息子が帰って来た時の代表的作品は、3本足のスツール。あの形はウチしかない。

(建太郎さん)家具類や、家で使う棚とかを作っていました。子供のものとか。それから、父は小物を作ります。

(浩之さん)ビールが好きで、薪ストーブに薪をくべながら飲むんです。火をいじるのは楽しいですよ。端材を割って薪にするんですが、割った跡すごく良い形になった。その形に惚れて始めたんです。これをスプーンにしてやろうって思った。

だから、小物は自分、スツールなどは息子です。

スツールとは、背もたれや肘掛けの無い椅子のことで、英語ではチェア(“Chair”)と区別される。座面が円形のものが多く、丸椅子と呼ばれることもある。
  • 成長
  • 人が気づかない裏でも仕事して、表はもっと仕事
  • 既製品にはないキレイさ
  • 作品を機械任せにしない

この機会に、お互いに一言いかがでしょう?

(建太郎さん)うーん…うまく言えません(笑) 以前、父親に師事している子供だけで展覧会をしたんですが、どうしても自分は何かに似たものしか出品できなくて、恥ずかしい思いをしました。今はひたすら、試行錯誤です。

(浩之さん)今は楽しくやってくれれば良いですよ。とにかく、怪我しないでね。一発で指無くしたりするから。怖いから。

あ、あと、三代目ね!(笑) 良い仕事だから、やってほしいと思ってるよ。

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