渡辺真樹 斉藤和彦(八戸焼×漆塗) | コラボレーション

十余年の歳月を経てついに実現した、八戸焼窯元と漆塗職人のコラボレーション。
ろくろを回してできた凹凸に漆がにじむ、青森初の試みです。

お二人はどうして出会ったのですか?

(斉藤さん)渡辺さんとは、先代の窯元から20年来のお付き合いになります。

父親が漆をやっていて、もの作りを小さいころから見てきましたし、作ること自体好きでしたから、前職を辞めて職人になる事を決めた頃です。家の近所にたまたま渡辺さんの工房があったんです。そばを歩くたびに「焼物をやっているのか」と気になっていて、実は工房に入りかけたこともあるんですよ(笑)

後に、私が師事した木村正男と渡辺さんの先代・渡辺昭山さんが一緒に活動する事になるんですが、師匠からたまたま渡辺さんの話を聞いた時「それ、近所です!」という話になりました。不思議なご縁です。

当時は正直そんなに焼物について詳しくはありませんでした。けれど、当時八戸焼について感じた「不思議、渋い」という感覚は、今も持っています。見る機会が多くなればなるほど、さらに「この色合や表情は、世の中に無いものだな、出てこないものだな」と感じるようになりました。大きな作品はもちろん、おわんのような一般的で小さな売り物も期待するようになっていきました。

そんな感覚は、いつのまにか僕自身に跳ね返ってきました。「これは斉藤じゃないとできない」というような何かを探すようになったんです。

木村正男(1941-2008)漆塗職人。青森県漆器協同組合連合会理事を務める等、漆塗の振興に尽力。渡辺昭山(1931-2000)初代八戸焼窯元。「無名異焼国三窯」で父・国三に師事した後、八戸で開窯。
  • 八戸焼と漆塗のコラボレーション
  • 10年前の度試み
  • 先代からの縁
  • 不思議なご縁

相思相愛ですね、渡辺さん!

(渡辺さん)斉藤さんの作品は、斉藤さんが出てますよね。あったかい感じの…

(斉藤さん)魔法のランプみたいな、独特の表情を持った八戸焼のとっくりセットを持ってるんですが、今でも家族で大事に使ってますよ(笑)

渡辺さんに実際にお会いできたのは、弘前に帰って漆をやるようになってからのことです。当時から「これ、欲しい」って言うと渡辺さんが僕に下さってしまうと思って、渡辺さんには内緒でこっそりと買っています(笑)

…今日はモノを持ってきました。

(漆塗を施した試作品を渡辺さんに手渡す斉藤さん)

(斉藤さん)基本的な漆塗の場合、漆を積み重ねた後に削って模様を出すのが特徴です。二人の仕事ではそういうものも考えていますが、漆の元々の用途…まったく無地の状態で塗る事もやってみました。ツヤや、手に持った感じが良いと感じてます。

下地に赤を塗って、その上に色を混ぜない漆そのものを塗る「溜塗」という技法を使うと、赤ワインのような雰囲気になります。うるしの厚さで下地の赤の出方が変わって…

(渡辺さん)いいですね…ここまで想像できていませんでした…

  • 八戸焼を初めて見た時の印象
  • 八戸焼きの表情に強く惹かれる
  • 漆塗りの制作
  • 漆の持つ深い表情

ろくろ目の線で濃淡が出ていますね…

(渡辺さん)二人でやるからこそ、この雰囲気が出るのかもしれません。

(斉藤さん)ようやく渡辺さんとのコラボレーションが形になります。20年越しの夢です。カネイリさんが愛のキューピットですよ(笑)

けどね…漆はそもそも植物の樹液なので、木と一番相性が良いんです。それ以外の相手によっては、塗ったときの食いつきや密着の良し悪しの問題があります。磁器陶器は、どうか? 液体を入れたり洗ったり、条件も過酷です。

  • 以前一度コレボレーションをしようと思った事がある
  • 作った器もそのままに
  • 斉藤さんに漆を乗せてもらった器
  • 雰囲気や深みが、器にまで染み出ている

非常に難しい仕事なんですね…

(斉藤さん)これからも追求していきたいです。渡辺さんと僕、二人での共同作業になります。

私の個人的な想いとして、色を混ぜないシンプルな漆を使った表現をやってみたいという事もあります。そんなアプローチも、渡辺さんとのコラボレーションの中でやってみたいと思っています。

やりたい事はたくさんあります。…いい仕事にしていきたいです。

(渡辺さん)はい。(微笑む)

  • 漆の塗り方
  • 漆本来の使い方を試したい
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